コミッションss『血筋と魔力は引かれ合う』(終)
🕑 Added 2023-07-31 14:08:24 +0000 UTC
6700字、タイトルも決まりました。
~~~~~~~~~~~
数か月後。
ノエルの運営するキックボクシングジムの内部には、ひときわ激しいトレーニングの音が響いていた。
「やあっ!」
ドゴッ、ビキッ、バシィッ!
褐色肌に、ジム内でもひときわ大柄な体躯……一目でわかるその身体は、あのときの猫娘のままだ。
打ち込んでいるのは、サンドバッグではなく丸太に布を巻いた擬似的な標的だ。
あれからも買い換えたサンドバッグを含め設備を何度も壊してしまったため、彼女専用の道具が用意されていた。
「シルヴィ、相変わらずやってるわね」
ドアの開閉音がしてノエルが現れ、彼女に近づきながら声をかけてきた。人間の姿をしており、どこかから帰ってきたらしい。
身も心も猫女となった彼……猫田秀だった彼女には「シルヴィ」という新たな名前が与えられていた。もちろん、名付けたのはノエルである。
「昨日、試合したばかりでしょ。少しくらい休んだら?」
「だって~、全然動き足りないし」
ノエルに対して、あっけらかんと言い返すシルヴィ。
彼女はこのジム所属のキックボクシングの選手として、人間の姿をとりながら戦っていた。
成績については……言うまでもなく圧倒的な勝利。
表向きのキックボクシングジム所属という生活を軌道に乗せるという意味もある。
少なくとも、彼女の体型に合わせた特注のウェアや下着を注文するのには不自由しなくなりそうだ。
「裸なのもどうにかならないの……」
「ジャマだし、スッキリしないんだもん」
ノエルの言葉を聞く気がないシルヴィ。傍目からは眷属としての関係性にはまったく見えなかった。
当たり前ではあるが、キックボクシングではグローブや防具を着けた上での試合となる。
それが裸がデフォルトの彼女にとっては鬱陶しくて仕方ないのだ。
くわえて力をセーブせざるを得ない人間態……つまりずっと手加減した状態なので、すっきりとした爽快感を味わえない。
試合翌日にもかかわらずまったく疲れを感じさせないのも含め、普通の試合では全力を発揮できているとは言い難いようだ。
「仕方ないわね……”裏”の方も準備ができたわ」
「ほんとっ!?」
目を輝かせながら反応し、ノエルのもとへ駆け寄るシルヴィ。
彼女を主人だと認めるように、敬意すら抱いているような素振りで近づいてくる。
それこそ、鰹節を目の前にした猫のような、あまりの態度の豹変ぶり。
「今夜だけど、いけるかしら?」
「もちろんっ!」
シルヴィの全身は、その機会を前にして期待と興奮で疼きだしていた。
日が暮れた大都会、闇に紛れたどこかの地下。
広くはあるが薄暗い空間、その中央にはライトに照らされた白いマットのリングが設置されている。
その周囲が黒く蠢いてみえるのは、これから行われることを期待して席を埋め尽くす観客たちの人影だ。
『たいへん長らくお待たせいたしました!』
アナウンスとともに、熱気のこもった歓声の上がる会場。
これから試合が行われるだろうことはすぐにわかる。
『それでは今回が初登場、シルヴィ選手の入場です!』
「やっほー!」
観衆に手を振りながら現れた猫田秀……もといシルヴィ。
もちろん本来の姿で、服は一切身に着けていない。
手足は着ぐるみのようにふんわりとした毛に覆われているが、それらすべてが彼女自身の体毛だ。
乳首や股間も隠されてはいるものの、それ以外のほぼ全ての部位は褐色の肌が露わになっており、そのすべてにおいて筋肉が主張していた。
リングへの通路を進む彼女の後ろ姿……広い背中は筋肉がひしめき、腕の動きに合わせてうねるようにうごめいている。
アップをしていたのだろう、すでにパンパンに張り詰めた太腿は、片方だけでも子供の胴体より太い。
ノエルの影響にくわえトレーニングを重ねた結果、いっそう分厚くなった筋肉が全身を鎧のように覆っている。
逆三角形の上半身と、それ以上のボリュームを感じさせる下半身。
女性的なプロポーションを強調しつつ、筋肉の隆起を上乗せした輪郭。
ボコボコに割れた腹筋の陰影が、真上から降り注ぐライトの光で際だって見える。
「わーお、すごい歓声♪」
楽しそうに会場を見渡すシルヴィ。初めて見る彼女の姿に見入っている観衆もかなりおり、それが嬉しくて投げキッスなんかも返している。
猫又と淫魔の双方の影響を受けた……猫サキュバスとでも呼ぶべき彼女の肉体は、格闘においても、その美しさにおいても完成していた。
身長は180 cmをゆうに超えるノエルと、背格好はほぼ変わらない。
胸のボリュームは彼女の方が目に見えて大きいものの、胸板の広さや厚みはシルヴィの方がありそうだ。
全身を見せつけるようにアピールしながらリングに上がり、白銀のウェーブがかった長髪は空気をまとうようにふわりとたなびく。
「ふん……今日は女か」
対戦相手は、ノエルを襲っていた暴漢たちをさらにガタイ良くしたような大男だ。
筋肉は相当にデカいのだが、こちらはバランスや美しさといった印象はなく、巨大な岩を荒々しく彫ったかのような造形をしていた。
シルヴィが相対的に小さく見える。
『さぁ両者が入場しました、勝利の女神はどちらに微笑むのか!』
ここは魔族も含めた、何でもアリの裏格闘技場。
安全面など切り捨てたような場所ではあるが、だからこそシルヴィのような新人のデビュー戦でありながらも、こんなにも客がおしかけているといえる。
「初めてなんだろ、ケガで済むといいなぁ?」
挑発的に笑う大男だが、シルヴィに気にする様子はない。
手加減なしの勝負……それは彼女も望むところだった。
「ふぅ」
「……」
身構えながら睨み合う両者。
シルヴィはぶっとい太腿が干渉しないよう、ガニ股気味に左右に広げながら姿勢を低くする。
毛が生えそろってグローブのような両手は、猫がものを弄るときのような動きでせわしなく動かしていた。
変わった構えではあるが、猫としての性質が混じった彼女にとって人間の常識は関係ないのだろう。
『それでは、試合開始です!』
ガアンッ!
静寂を破るように開始のゴングが鳴った。
「ふぅっ!」
最初の一撃はシルヴィだった。
低い姿勢のまま一気に距離を詰め、褐色の大木のような脚が振り上げられる。
大柄な肉体が遅いのは自然としても、シルヴィもかなりのガタイと体重である。
普通ならヘビー級寄りの動きをするはずなのだが、想像以上の速さで蹴りは男の首元に迫っていた。
「むぅ……!」
反応が遅れた相手は両腕で受け止めようとするが、余りのインパクトにその身体がズズッ……っと後ろに下がる。
速さだけでなく、その体躯から十全に発揮されるパワーに顔をしかめる大男。
「ぬぅん!」
お返しとばかりに巨大な腕を振り回すが、当たる気配がない。
頭部を狙ったラリアットにはしなやかな動作でしゃがみ込み、足元を狙うローキックには四肢を使って跳躍する。
大がかりな攻撃に移れないよう、的確に攻撃も加えていく。
思うように攻勢を取れず、苛立っていく対戦相手。
「ぐっ……くそっ……!」
攻める方だって、体力を使うものだ。
自分の肉体をコントロールし続けるのだって簡単ではない。
とくに巨体になればなるほど、より重い肉体を動かし続ける必要がある。
大男の抵抗が徐々に鈍くなっていくのは必然のことといえた。
……それを、シルヴィが逃すはずないことも。
「いくよ~!」
ドスッ、ミシッ、ボゴッ
飛びかかり、一気に攻撃を畳み掛ける。
蹴り、パンチ、引っかき、目にもとまらぬラッシュの連続。
その一撃は音からしてもあきらかに重く、常人なら一発で昏倒してしまうだろう。
パワー&スピードの、動物的な戦闘スタイルだ。
そのパワーの源は、発達した筋肉と、それによって生み出される腕や脚の重さ。
体重は人間だった頃の倍近くあるのだが……本人は少し気にしているらしい。
「うっ……ぐぉ……」
連続攻撃をまともに食らって、気絶する寸前の相手。
立ってはいるものの、フラフラとしていて目の焦点も定まっていない。
誰が見ても形勢は明らかだったが、あまりの短時間かつ圧倒的な立ち回りに会場はむしろ静まり返っていた。
「ラスト~!」
いったん距離を取ったシルヴィは、銀色の髪をたなびかせながら助走をつけて足を振り上げる。
それは何度も打ち込んできた、あの動き。
シルヴィからすれば、相手が黒革のサンドバッグに見えていた。
ドゴォッ!
「うっ……ぐぅぅぅっ!」
見事に命中した蹴りは、完全に相手の頭部に決まっていた。
耐えきれずに、ドサリと後ろに倒れる大男。
彼も何からの魔族の血は入っていたようだが分かる前に倒してしまったし、今となってはどうでもいいことだった。
『勝者、シルヴィー!!!』
「やったー!」
勝利のアナウンスとともに、ぴょんぴょんと跳ねて喜ぶシルヴィ。
そのままリングから勢いよく飛び出して、セコンドの位置に立っていたノエルに抱きついた。
喜びのまま頬を擦りつけている姿は、飼い猫がじゃれついているかのようだ。
傍目から見れば、ほとんど体格の同じ筋肉女の2人が抱き合っているわけだが。
「「「ワァァァアア!!!」」」
「ありがと~、またよろしくね~♪」
ワンテンポ遅れて広がっていく歓声に応えるように、観客席に手を振りながら退場していくシルヴィ。
少しだけ幼さを残した美貌に、天真爛漫な行動、ストレートな感情表現、肉体美、そして強さ……。
この後も連勝街道をひた走り、人気も急上昇していると評判となる。
割れんばかりの歓声を受けてシルヴィは充実感を覚えながら、「この後の時間」にも期待を寄せていた。
会場のあるビルの、少し上の階。
勝者にのみ与えられるVIPルーム。
高級ホテルのスイートに匹敵する空間は、勝利した人間をねぎらい、次の戦いも盛り上げてくれるようにと主催側が用意したものだ。
「うわ~! すっごい」
「そこそこね」
シルヴィはもちろん、ノエルも一緒に部屋に入っていた。
指導者としての立場はもちろんだが、シルヴィ1人で過ごしていたならば数時間もしないうちに彼女に会いにここを出てしまうことだろう。
淫魔と、その眷属である猫娘……2人がこうして夜を共にするのだから、やることはすでに決まっていたし、わざわざ口に出すまでもない。
「まずは汗を流して……きゃっ!」
「ヤダー、こっちの方がいい匂いだし♪」
シャワーを浴びようとするノエルに対し、抱きつきながらその胸に顔をうずめるシルヴィ。
猫としての本能的な行動が際立った結果、主人たるノエルの意向をあまり気にしない奔放な性格となっていた。
戦ってきたシルヴィはもちろんだが、ノエルも試合前のアップには付き合っていたし、リング縁で熱気を全身に受けていたためにそこそこ汗ばんでいる。
むしろ思いっきり彼女の匂いを嗅げるまたとない機会だ。
「ほら、早く」
「あっ、ちょっと……」
ボフンッ
シルヴィが誘導して2人が向かったのは、お互いが大の字に寝ころんだとしてもまだ余裕があるだろう、キングサイズのベッド。
そこへ押し倒し、2人分の体重を受けて沈み込むノエルの身体。
「強引すぎない?」
「すぐエッチできた方がいいもん♪」
屈託なく笑みを浮かべるシルヴィ。
眷属ではあるのだが、主従関係というには気まぐれすぎる。
のしかかる形でマウントをとり、互いの肉体を重ね合わせる。
筋肉がしなやかにたわみつつ反発して、汗で肌がわずかに滑る。
淫魔として仕上がった、女体美と肉体美の融合した肢体。
シルヴィにとって、それ自体が媚薬のようなものだった。
ノエルの身体を見ているだけでも興奮が高まっていく。
「ご褒美っ、ご褒美っ❤」
「わかったから……少しくらい大人しくなさい」
今日の試合で勝利したら一夜を過ごす……そんな約束を2人はしていた。
ただ抱き合って終わりというわけではない。
「すぐに出してあげるから」
ポウゥ……!
ピンク色の光とともに、割れ目の上あたりからズルリと何かが伸びあがる。
それは、子供の腕くらいはある太さの男性器だった。
仰向けになった彼女の身体から、真上に向かって屹立する肉の柱。
亀頭と竿の境目はキノコのようにエラが張りだして、握りこぶしに匹敵するサイズとなっている。
彼女の逞しく美しい肉体に相応しい、圧倒的なふたなりちんぽ。
性の権化たる淫魔の彼女にとって、このぐらいは造作もないことだ。
「スンスン……っ~~、最高❤」
生えたてのふたなりちんぽに顔を密着させて、臭いを嗅いで恍惚とするシルヴィ。
汗と性臭の混じり合った、嗅覚を刺激する濃厚な匂い。
触れた指の刺激に合わせてビクビクといななく男性器に、彼女の瞳が蕩けていく。
男だった頃の価値観などは皆無で、完全に猫又とサキュバスのハーフとしての欲求に呑まれていた。
「ちんぽミルクちょーだい❤」
シルヴィの肉体をここまで変えた原因ともいえる特製ドリンク、その原液が彼女の精液である。
淫魔の魔力や媚薬効果も詰め込まれたこの液体は、シルヴィにとって極上のごちそうとなっていた。
「もっと強くなるんだー♪」
ベッドの上で横たわったノエルの股間にまたがり、ぶっとい太腿を見せつけるように左右に開く。
愛液で濡れ簿そった秘所と亀頭を触れ合わせ、そのまま腰を降ろしていった。
ズブブッ……
「あんっ❤」
待ち望んでいたその味わいに、膣穴が歓喜でキュンキュンとうねる。
シルヴィの自重に任せて飲み込まれていく肉棒、そのまま根本まで完全に挿入される
太腿がノエルの身体とぶつかり、筋肉ごとブルリと震える。
極太の肉棒によって、腹筋が少しだけ盛り上がる。もっとボコリと形が浮き上がってもおかしくないのだが、筋肉の厚みゆえの腹圧がそれを押しとどめていた。
「いい身体になったものね」
そんな様子を眺めながら呟くノエル。
下から見ているからこそ、彼女の首が僧帽筋と一体かして極太になっていることに気づかされる。
ボコりと盛り上がって左右に張り出した肩と、筋肉の隆起が浮き上がった二の腕。
汗ばんだ肌の匂いも相まって、圧倒させられる光景。
獰猛な肉食獣に襲われている気分になってくる。
「あはっ、やっぱノエルのちんぽすごいっ❤」
パンッ、バチュッ、スブブッ!
全身を使ったピストン。
褐色の肌が筋肉によってうごめき、戦いでパンプアップした血管がさらに盛り上がる。
愉しそうに、気持ちよさそうに、艶やかな声音をあげるシルヴィ。
きゅうきゅうと締め付け、ねだるようにうねって肉棒を責め立てる。
力強い収縮が筋肉ゆえなのはもちろんだが、淫魔の眷属としての性質も反映されているのだろう。
(普通なら、こんな主導権を握らせないんだけど……)
一応は眷属である彼女を、好き放題させ続けるのはあまり好ましくはない。
ベッドの上でマウントを取られるということも、淫魔のプライド的には歓迎はできないことだ。
(……ま、今はいいかしらね)
試合に勝利したご褒美なのだから、少しくらいはいいだろう。
ただ、後で自分が主人であるのだと、その身体に教え込んでやらねばなるまい。
サキュバスの本領を発揮して、意気揚々と責めている彼女を、喘ぐだけの雌猫に変えてしまおう。
そんなことを胸の内に決めながら、無邪気に腰を跳ねさせるシルヴィを眺める。
バチュッ、グププッ、ドチュンッ!
「はぁっ、んっ……ふぁっ❤」
ペースアップしていく水音と、荒くなっていく呼吸。
高まっていくふたなりチンポ。
パンパンに張り詰めたそこが、いっそう大きく膨れ上がり—―
ドブルルルルル……ッ!
「っ~~~~❤❤❤」
根元まで突き込んだタイミング、シルヴィの女性器の最奥に射精した。
淫魔としての影響を受けたシルヴィの肉体は迸った精液に本能レベルで歓喜し、絶頂に至った。
背中を反らしながら、全身をガクガクと震わせるシルヴィ。
精液を一滴残らず搾り取ろうと、下腹部の筋肉が収縮して奥へと送り込んでいるのが肌越しにもわかる。
汗がブワリと噴き出し、褐色肌が照明の光で煌めきを放つ。
「あっ……❤ ひゃうぁ……❤」
絶頂に酔いしれ、またたびでも嗅いだかのようにフラフラとノエルの胸元に崩れ落ちるシルヴィ。
絶頂の余韻が残っているのだろう、挿入はしたままわずかに身体を震わせている。
頬ズリしながら抱きつき、ゴロゴロと喉を鳴らしそうな調子で呟いた。
「だいすきぃ……❤」
蕩けるような甘ったるい声音で告げる。
どれだけ気まぐれだろうと、主人への愛情は変わりようがないのだ。
ノエルは顔を綻ばせて、甘えてくる猫の分厚い背中を撫でる。
「……でも、まだイけるわよね?」
「えへへ、バレちゃった? ……にゃうっ❤」
自分の眷属なのだ、一発で体力が尽きるようなヤワな肉体ではない。
甘えたくなったのも、その言葉も本心であると分かってはいるが、ここで手を緩めるのは淫魔の名がすたる。
ここからは自分のターンだと、ノエルは腰を突き込んだ。
元人間とはぐれ者の淫魔によるベッドの上での戦いは、まだまだ終わりが見えそうもない。
部屋いっぱいに嬌声を響かせながら、2人の夜は更けていく。
(了)